はじめに
「パスキー」はオンライン認証の完成形か 口座乗っ取り問題で注目
証券口座の乗っ取りへの対策として、スマートフォンの生体認証などを組み合わせた認証技術「パスキー」の導入が広がっている。安全かつ簡易に使える仕組みとして、電子商取引(EC)や決済分野で普及してきた。今春以降、証券口座の乗っ取り被害が急速に広がったことで金融業界でも活用が進み始めた。
引用元:25909日経新聞の記事より 有料会員以外は一部しか表示されません。
パスキーとは?パスワード不要の新しい認証方式をわかりやすく解説
ネット証券やECサイトでの不正ログイン被害が相次ぎ、パスワードによる本人確認の限界が指摘されています。そんな中で注目されているのが「パスキー」という新しい認証方式です。
この記事では「パスキーとは何か?」を中心に、メリットや仕組み、よくある疑問について調べてみました。わかりやすく整理します。
パスキーとは?
パスキーは、パスワードを使わずに本人確認をする新しい認証方式です。
ログインの際に入力するのは文字列ではなく、スマートフォンやパソコンに備わっている 生体認証(指紋や顔認証)やPIN を利用します。
これにより、パスワードを覚える・入力する必要がなくなり、盗み見やフィッシング詐欺にも強くなります。
仕組みをやさしく解説
- 従来:人間が文字列(パスワード)を覚え、毎回入力
- パスキー:端末が暗号鍵を自動生成し、サーバーと照合
ユーザーが送るのは「端末が作った暗号の文字列」だけで、生体情報や秘密の鍵そのものは外に出ません。
💡 たとえるなら…
- パスワードは「合鍵を大量に持ち歩く状態」。落としたり盗まれるリスクがある。
- パスキーは「合鍵を持たずに、指紋や顔そのものがカギになるスマートロック」。
どこで使われているの?
- Google、Apple、Microsoft が対応済み。
- メルカリ、LINEヤフー、KDDIなど通信・EC業界が導入。
- 2025年秋からは SBI証券、楽天証券、マネックス証券 でも利用開始予定。
パスキーのメリット
- 安全性が高い:パスワードを盗まれるリスクがほぼゼロ。
- 利便性:数秒でログイン完了。パスワード忘れの心配なし。
- 利用実績:メルカリではパスキー利用者の「なりすまし被害ゼロ」。

引用元:日経新聞の記事より
金融庁が発表した口座乗っ取りの被害
2025年9月8日 金融庁がネット取引での被害状況をアップデートして発表しました。

これによると、4月ごろに被害が急増していた状況は、各証券会社も迅速に対応したおかげで減少しました。
しかし、依然として不正取引はなくなっていません。
・8月の不正件数 1,248件
・被害総額(売買両方で) 514億円
だそうです。金融庁も下記のように呼び掛けています。
メールからの誘導に誘われないように。
多要素認証や、通知設定をしましょう
公式アプリから口座状況をこまめにチェック
便利な世の中にはその裏腹にリスクが潜んでいます。自分の身は自分で守る。自分の資産は自分で守る。ですね。
パスキーの登場がどれくらい効果があるのか、期待しています。
Q&A:よくある疑問に答えます
Q1. パスキーは端末に固定されるの?
はい、基本的には端末ごとに鍵が作られます。ただし各社のクラウド(iCloud、Googleアカウント、Microsoftアカウントなど)を通じて、自分の端末間で安全に同期できます。
👉 iPhone、iPad、PCなど複数端末で同じパスキーを使えます。
Q2. スマホを盗まれたらどうなる?
心配はいりません。パスキーは生体認証やPINがなければ使えないため、盗まれてもすぐに悪用されることはありません。
さらに「遠隔削除」機能で端末を無効化できるので安全性は高いです。
Q3. 端末を買い替えたら?
新しい端末でも、同じクラウドアカウントにログインすればパスキーは復元されます。パスワードのように「引き継ぎ忘れ」で困ることが少なくなります。
Q4. どうして認証方式はどんどん増えるの?
それは、不正アクセスの手口が常に進化しているからです。
- 昔は「パスワードを定期的に変えれば安全」と言われていました。
- その後、複雑な文字列やSMS認証、生体認証などが追加されました。
- しかし、フィッシング詐欺や情報漏洩はなくならず、より強い仕組みが求められています。
👉 その最新の解決策のひとつが「パスキー」というわけです。
まとめ
パスキーは「パスワードをなくし、生体認証で安全にログインできる仕組み」です。
パスワード管理の手間や漏洩リスクから解放されるだけでなく、セキュリティの完成形に近い技術として今後さらに普及していくでしょう。
過去、パスワードの管理には悩まされてきました。
ちょっと前までは、パスワードは定期的に変更しましょう。パスワードは文字数を多く、記号や数字を混ぜて複雑にしましょう。などと推奨されてました。
最近は、毎回SMSで番号が送られてきて、それをもう一回認証させる多段階認証が多いです携帯ありきの認証方式です。
パスキーは、その母体となる Googleアカウント、Microsoftoアカウント、Apple IDが身分証明書のように大事な存在になりそうです。
いたちごっこはどこまで続くのでしょう?