退職後の不安は、どこからくる?

退職して感じる不安な気持ちは何?

はじめに

退職して、大きな環境の変化が訪れた。毎日会社へ出かけてたのに、急にどこにも行かずに家にいる。やることがない。行くところがない。急に孤独を感じる。みんなどうしてるんだろう? 
退職後は悠々自適のバラ色人生なんてとんでもない。
いったいなんだろう。どうしたんだろう。この感じ。孤独感というか、空しさというか、元気の出ない感じ。

きっと、これから同じ境遇の人は、必ず出てくるはずだ。
自分が感じたことが、その人たちにも届けばと思って書いてみる。

団体行動からの卒業

生まれてから、しばらくすると幼稚園に入り、そこからは、ずーっと何らかの集団、組織の中で過ごしてきた。これは、自分だけでなく、サラリーマンの人は、ほとんど定年するまでどこかの集団に所属していたはずだ。
世の中には、個人でフリーランスの仕事をし、団体に属していない人もいるかもしれないが、少なくとも冒険家のようにまるっきり一人で活動してるわけではなく、近くには、誰かと関係を持ちながら仕事をしてると思う。小さな集団にはかかわって存在してるはずだ。常に仲間がいた。

それが、ある日を境に、定年退職の場合は、60歳の誕生日を境に急に人生がかわる。定年も順に延長されているで、60歳が定年ではなくなったとしても、どこかのタイミングで会社を退職し、次の人生を迎える日が来るはずである。

サラリーマンの定年退職は、いつかは必ず訪れる。花束をもらって会社を出た途端、所属する会社も、肩書きもなくなり、ただの終わった人となる。そして次の日から朝起きても、行くところがなくなるのだ。

あわただしい朝に、駅へ向かいラッシュの電車に乗って通勤していた苦労から解き放たれてせいせいする。嫌な上司とも顔を合わせなくてせいせいするかと思ったら、とんでもない。そんな気持ちよりも、自分の居場所をなくしたさみしさがドーンと訪れる。自分だけなんだろうか? みんなはすがすがしく老後を迎えたのだろうか?気になる。
ひょとして自分だけなんだろうか、みんなは、同じ気持ちになってないのか、聞いてみたくなる。

とにかく、もう団体行動は卒業したんだ。お役目は、終わったんだ。と思うしかない。それよりもこれからどうしていくか?長い時間を有意義に過ごすために、自分の考え方を変えなきゃいけないのだ。すべてが自分次第。卒業した自分は、選択肢は、無限にある。無限にあるのだから余計に決められず路頭に迷うのでもあるが。

税金、保険など 給与天引きからの卒業

退職して、気持ちの変化も大きいが、お金の面でも急に変化が訪れる。退職して、収入がゼロになったにも関わらず、請求だけはお構いなく届く。特に税金、保険は、間髪入れずにちゃんと届く。
サラリーマンの時は、給与天引きだったので、あまり気にしてなかったが、請求が来ると自分で支払わないといけない。悪いことしたわけでもないのに、払ってくださいという請求書は何か、悪いことしたみたいな気分になる。

もうこっちは、収入ゼロなのに、税金、保険は何万円もの支払いであり、ホントにこたえる。このまま収入ゼロではやってけないと気づかされ、環境の変化での気持ちの落ち込んでいるところに、さらにインパクトが加わる。誰も助けてくれない~。次の就職先もそんなにすぐ見つかるわけないのに。

これから退職予定の方は、退職後1年ぐらいは、住民税も高いままだし、余裕資金をちゃんと準備しといたほうがいい。

いきなり会社を離れてみると、今まで世の中の仕組みについて知らなさすぎることに驚いた。みんな知ってたんだろうか?自分が甘えてただけなんだろうか?
そんなこと誰も教えてくれないし、知らなければびっくりすることが多い。一般教養なのかもしれないが、学校みたいに教育メニューとして全員が知るようなことがあってもいいと思った。

会社も卒業、給与天引きも卒業した世の中知らずのサラリーマンには、ちゃんと教えてくれる、ガイド、講習が必要だ。誰に聞いたらいいのかさえ分からない。市役所、健康保険組合など役所のことになると、気が引ける。税理士や弁護士、労務士など知り合いもない。地元密着しているの友達なんかは、知り合いにいろいろといるらしいが、自分はいない。

きっと、経験してみればたいしたことのない手続きだろうし、普通に誰もがやってることだからそんなに心配しなくてもいいと思うが、やっぱり知らないということは恐ろしいことだと思う。

給与天引きを卒業しても、税金保険は、卒業できないので、その負担に耐えれるだけのお金は計算して、準備しておこう。娘にも伝えとこう。

人との比較

自分は、一人でたくましく生きていけない。 稼ぐ力もない。ネットワークもない。会社を離れたら独りぼっちなんだと孤独感にさいなまれる。

図書館に行ってみる。健康のためとジムに通ってみる。イオンに行ってみる。どれも時間つぶしにはなるが、毎日となると時間もつぶしきれなくなる。

そして、人との比較が気になる。こないだ退職した先輩たちはどうしてるんだろうか? 
ある人は、たくさんお金をもってて、ホントに悠々自適だ。いつも海外旅行に行ったとか、おいしモノ食べてきたとか楽しそうだ。

ダブルインカムで奥さんの収入があてにできる人もいる。そんな人は、きっと年金もダブルだ。うちは自分の一人分で家族分を負担する。

親の遺産で急に裕福になった人もいる。自分の親は田舎の家だし、代々先祖様から引き継いだ家もなく、親父も飛び出てるので親父1代だけの資産で大した貯金もなさそうだ。

もちろん、人のお金をあてにするつもりはないし、今まで過ごしてきた中でお金の使い方、貯め方、運用の仕方の差ですべては自分の責任であるが、みんなどれくらいの生活費なのか、年金は、収入はどれくらいあるのか?気になる。

なんか苦労してるのは自分だけに思えてくる。ねたみ、ひがみが多くなる。お年頃。
沸点が低くなり、頑固になり、切れやすくなる。

今までの順調な人生から一転、急に心細くなるし、お金の心配も出てくるし、親の心配もある。嫁さん子供の家族の将来もある。

ちょっとした鬱みたいな感じかもしれない。男性更年期という言葉も芸能人が使うようになって広まっているようであるが体の変化ももちろん感じる。

こうやっていろいろと考えるのも団体行動を卒業したからであろう。なので、必要なのは、外に出て社会と交わることなんだ。きっと話してみるといろんな情報を手に入るだろうし、人がどうやって過ごしているのかも参考になるはず。

最後に

ここからは、人それぞれだ。

最後は1人になる。竹内まりやの歌で、♪うまれる時1人、最後もまた1人♪ という歌がある。一人になる準備も必要だ。


それは真実で、そうなんだけど、ずーっとどこかの団体に所属して、途中はみんながいる。仲間がいる。助けてくれる人がいる。助けてあげたい人がいる。

まだ一人になるには早すぎる。時間はたっぷりある。黄金の15年という大事な時間を明るく楽しく元気に過ごしたい。世の中は広い。