はじめての“介護”体験 友人の骨折をきっかけに

元気の出るページ

車いすが必要になった友人

はじめに

・梅雨入り間もないころ、一人暮らしの友人が足を骨折したと連絡がはいった。彼は、訳あって一人暮らしの60歳。同い年。

・近くの病院では骨折してるからすぐ入院必要との診断。大きな病院に行きたいが、松葉づえで傘もさせないのに大丈夫だろうか? 病院につれてくわとサポートを申し出てみた。その時の体験から介護について感じたこと。

一人暮らしの大敵

自分も彼も、海外出向経験者で、海外で長く一人暮らしをしていた。海外出向時は、近くに同じ仲間が何人かいたので、それぞれ一人暮らしではあるものの、朝、会社に来てるか来てないか? 体調を悪くして休むという連絡があれば、食事や、飲み物の差し入れなど、お互いにサポートすることがよくあった。

日本に帰任して、自分は、おかげさまで家族がいるが、彼は訳あって60歳の一人暮らし。
親、兄弟も田舎にいて身近には住んでない。

足を骨折したらしく、松葉づえが必須。金曜日の夜にやったらしく、土日は病院も休みで自宅で様子見。ただの捻挫だし、よくなるだろうとおもってたものの、月曜になっても痛み、はれがおさまらず、近くの整形外科へ行ったら骨折してて、即手術入院しないといけないと紹介状をもらったらしい。

海外赴任の時に、仲間に助けられたものとしては、やはり一人暮らしの彼をほっておけない。しかも梅雨入り直後でその日も雨予報。ただでさえ歩くのが不自由なのに、松葉づえをついて上に傘をさすなんてできるの?と思いながら、紹介された大きな病院へ送っていくわ と、申し出た。

いつもは、人の世話にはならん。というタイプの彼もさすがに、歩けないし、雨だし お願いするわということでマンションへ向かった。

海外出向時代も、最大のミッションは、仕事のミッションも大事だが、何よりも、無事にけが、病気なく、家族の元へ元気に帰任すること!と思ってた。

一人暮らしの、自由で快適な生活の反面、一人暮らしの大敵は、なんといっても病気と事故。海外で病気になってベッドで寝込んだりすると、ホントに寂しかった。食事の買い物も、できない。病院へ行くのも一人では難しい。

一人暮らしの大敵は、病気と事故。 家族と住んでいても病気と事故には気を付けよう。

病院での付き添いを体験した

朝、車でマンションへ迎えに行った。
そして病院について車いすに乗ってもらった。受付して、診察へ移動。2Fから4Fへ車イスを押してエレベーターに乗って移動するが、エレベーターがなかなか来ないし、人もたくさんのってくる。車イスの操作に慣れてないので、少し右に寄せるとか、方向転換するとかなかなか難しい。

診察へ行くと、今度はレントゲン、CTを取ってきてまたこちらへ戻ってくるようにとの指示。4Fから1Fと3Fへ移動。各窓口で伝票出して、受付してもらう。車イスで病院を駆け巡った。

もう一度診察室へ戻り、手術の話しへ。先生:まだ腫れがひどいので、腫れがひいてから手術だね。手術はチタンのプレートをボルトで固定する。とのこと。でも、このまま帰ってまた手術の時に来るのも大変だし、何しろ食事の用意が彼一人では、できない。

先生に一人暮らしの事情を説明して、今日から入院できませんか?とお願いした。運よく今日の午後から部屋が空くそうで幸運にも昼食から用意してもらえることになったので、一安心。

でも、入院にあたって身元引受人が必要とのことで、自分が引き受けた。もちろん彼が支払いを滞ることはないという信頼の元ではあるが、いざサインするとなると、心構えが必要。

この体験からの気づき

自分が解放されたことを喜んではいけないが、車いすを押して移動するのがこんなに大変とは思わなかった。雨の日の外は車イスででかけられない。お医者さん、看護師さんの万全の体制で面倒見てくれるありがたさ。

今まで、親も元気で介護というものをしたことがない。この年(60歳)になると、周りの友人もみんな親の介護が大変というお年頃。今回は、排せつの世話まではしなかったが、排せつの面倒まで見ようと思うとさらに大変。介護している皆さん大変な思いをしながら面倒見ているんですよね。

動けなくなると、ホントに誰かの世話に頼らないといけない。もし、自分が彼だったら、家族にお願いしているんだろうか? 嫁さんに車いすを押してもらうことを想像したことがなかった。

病院にお世話になることが少なくて、今までは幸運と思っていたが、こうやってお互いに支えあいながら生活するということも必要なんだと思う。頼る時には誰かに素直に頼って、困っている人がいたら、助けていく。自分の親もいつか介護が必要になるかもしれない。突然やってくると友達は言ってた。

世の中には、おひとりさまも増えてるという。海外生活で一人暮らしが長かった自分もそうだが、一人暮らしがけが、病気で動けないときにどうしたらいいのか?今からネットワーク作りを準備した方がいいのかもしれない。

最後に

一人暮らしの大敵 病気、けが 

いざというときは、素直に誰かに甘えて助けてもらおう。そういう関係を持てる身近な人のネットワークを作ろう。

車いすを押してみて感じたことでした。たった一日の出来事でしたが毎日のように何年も続くこともある。

嶋田洋七 がばいばあちゃんの介護はわらってなんぼ も読んだ。