サラリーマンの場合、給与明細から天引きで控除される項目の税金には、所得税と住民税の2種類の税金がある。所得税は、国税。住民税は地方税。今回は所得税について。
所得税は、前払いの仮払いって知ってた?
給与明細から天引きされてる、税金。その中の所得税について調べてみよう

所得税は前払いで、仮払いで天引きされてる。
知ってた?

知らなかった~
前払いの仮払いってどういう意味?
所得税の計算方法
所得税の計算方法を調べてみよう。
サラリーマン以外も含めて全般の話しだが、所得税は その年の1月1日~12月31日までに収入として得た金額をベースに求める。そして、翌年の2月中旬から3月中旬の1か月間に税務署へ確定申告して、所得税を支払うことになっているが、給与所得の人は、天引きで所得税を、会社経由で毎月支払っている。サラリーマンで給与所得を得ている人が多いので納める側も、税務署も事務処理が大変になるからこのような形になったらしい。
一般的に、所得税の計算は、その年の年間収入をもとに、経費と控除を引いて所得税額を求め、それに税率をかけて計算されると書いてある。それなのになぜ、毎月所得税は引かれている? 実際はどうなんだろう?

年収が確定してないのに、毎月所得税はちゃんと天引きされてるわよ。
その年の年収がわからなくても所得税は計算できて、引かれるの?

いいポイントだね。一般的に所得税は所得があったら、かかる税金だけど
サラリーマンの場合は、会社が計算した仮の税額を毎月給与から源泉徴収
されてる税金となっている。
これが、前払いの、仮払いという意味だよ。
給与所得者(サラリーマンの場合)は、源泉所得税という徴収のされ方をしている。
これは、社会保険料や、不要人数をもとに国税庁が出してる【給与所得の源泉徴収税額表】をもとに会社が計算して、毎月の給料から天引きしているんだ。

課税対象額 = 給与の支給額 - 非課税通勤手当 - 社会保険料
これで求めた課税対象額と、扶養家族の人数から表で求められる。
確定申告と年末調整
実際の正確な所得税が確定するのは、年末を過ぎないと、その年の年収は、わからない。前払いで支払った税額と、最終的に計算された所得税額と、その差額を調整するのが、年末調整だ。
その他、一年の間に昇給したり、転職したり、いろいろな場合があるよね。年末調整できない場合は、確定申告で所得税を確定して支払うことになる。
ということで、毎月天引きされている所得税は、実は、前払いで、仮払いなのだ。年収が確定する前に、源泉徴収税額表をもとに計算された、仮の金額の所得税が天引きされて、しかも毎月前払いしている。みんなが税務署で一斉に確定申告すると大変なことになるので、事務処理の簡素化で、会社がいろんなことをしてくれてるんだね。自営業の人たちは、年収が確定してから翌年の確定申告で後払いとなる。
サラリーマンの給与所得者の場合は、年末に支払額が確定したときに、他の控除なども含めて、所得が計算されそれをもとに所得税は、計算してくれる。前払いで仮に支払った金額と、実際に決まった払うべき所得税との差額を、調整するのが、年末調整。サラリーマンが、直接税務署に行かなくても会社で処理してくれるありがたい源泉徴収と年末調整という仕組み。
なので、サラリーマンは、税金に対して意識が低いということでもあるね。GGも定年まで金額はみてたけど、その天引きの仕組みまでは、全く意識したことがなかった。たくさんとられてるとは思ったけど、そういうもんだとあきらめていた。でも実は前払いの仮払いだったなんて知らなかった。
所得の種類
参考までにどういう所得が世の中には、あるのか?
所得の種類は、事業所得、不動産所得、給与所得、利子所得、配当所得、譲渡所得、一時所得、雑所得、退職所得、山林所得 と10種類ある。
世の中で給与以外で収入がある人は、この10種類のどれかの所得なんだよね。サラリーマンが手にしやすい所得は株式投資での所得だと思う。売買した時の利益は、譲渡所得だし、配当をもらったものは配当所得になるしこういう所得がある場合は、原則、確定申告で所得税を確定させる。株式も特定口座で運用している場合は、源泉徴収されているので確定申告不要となる。いろんなパターンがあるので、税金を正しく支払っているか?多く払いすぎてないか?という大事なポイントを仕組みを知ってるか知らないかで変わってくるので、正しい知識を身につけよう。
サラリーマンで給与しか所得がない場合は、給与所得だけとなるが、フリーランスや、投資、副業をしている場合、所得の種類がことなり、計算も変わってくる。総合課税と申告分離課税方式がある。総合課税は、所得を全部合算して所得を出して所得税を計算する方法、申告分離課税は、合算されずそれぞれ個別に所得税を申告する必要がある。退職所得は申告分離課税。所得の種類によってどうやって税金を払うのかが異なる。
くどくなるが、給与所得以外の所得がなければ、天引きと年末調整できちんと支払っているので問題ない。
給与所得だけであれば、年末調整だけでその年の所得税の処理は終わるが、給与所得以外に所得がある人は、他の所得を合わせて所得税を確定する必要がある。副業してる人などは確定申告しよう。
この所得一覧を覚えておくと、所得を増やしたい場合は、どんな稼ぐ方法があるのか、その稼ぐ方法が見えてくるのでおぼえておいても損はない。マンションを所有したら不動産所得。株を売買したら譲渡所得や配当所得。講演会で報酬をもらったら雑所得など。所得を得る方法は、給与以外にもたくさんあるのだ。
まとめ
・所得税は、一般的には1月~12月の収入から経費、控除を引いた所得をベースに所得税が確定する。
・でも、給与所得者は、毎月給与から天引きされているが、これは源泉所得税という仮払いの前払い。最終的には、年末調整で所得税が確定する。
・所得は、給与以外にも種類がある。給与所得だけであれば、所得税は支払い済みであるが、それ以外の収入がある場合は、確定申告で確定させる。
・年収がわかってないのに 所得税は毎月給与から計算されて天引きされている。年の途中で退職、転職などで収入が変化した時も確定申告で確定させる。